川のせせらぎの音と、カッコウの声。
牛舎には15頭ほどの牛がいる筈なのに自然音以外の無駄な音は聞こえてきません。
牛がそれぞれに何をしているかと言えば長年飼いならした犬が、お気に入りの場所で無防備に昼寝をしているかの様に、皆まったりと横たわったり静かに餌を食べていたり。もともと牛は臆病な動物で、横たわって寝る事などあり得ない程、護身の為に外部に敏感なのですが、ここの牛たちは人が近づくと寄って来て手を舐めたりします。怖がる様子も全くありません。
牛舎一面に敷かれた木屑。
床は常に清潔にしています。もし、牛の糞尿を放置し床を不潔にしていると、衛生面の問題だけではなく牛が床に寝転んだ時にカラダが冷えるのを防ぐ為に、余分な脂肪が付くのです。(冷えが肥満につながるのは人間と同じですね)牛の健康の為にも、床を清潔にし、寛げる環境づくりをしているのです。
普通、牛は立って寝るのが一般で睡眠時間が4時間あれば良い方です。しかしここの牛たちは違います。床に横たわり気持ち良さそうに居眠りをしているのです。ちゃっかり枕木をMy枕にして寝る牛もいるんです。いかに寝かせるかが畜産農家の腕の見せ所でもある程、牛を寝かせる事は良い肉を作るキーワードなのです。
ストレスのない牛舎。
人間の世界と同様、牛にも社会があり、人間関係ならぬ牛関係があります。同じ囲いの中に強い牛と弱い牛を同居させれば弱い方が更に弱って行くし相性の悪い2頭を隣同士にすると、落ち着きが無くなったり荒れたりするんです。飼育者は牛の性格から相性までを見極めて、牛同士摩擦の無い配置に気を配っています。一頭辺りの部屋も約4.5畳程と広く、快適な住環境を確保しています。
安全な餌
あたり前の事のようですが、牛のカラダも牛が食べた物に影響を受けます。そして牛の餌が血肉となったその牛を私達が食べるのです。だから、健康な肉を食べたければ健康な牛を育てなければならないのです。
倉石牛は牛の体調や季節によりブレンドを変えながら、小麦ふすま、大豆粕、黒糖粕、とうもろこし、米ぬかなど人間が自然作物を加工する際に出る殻や糟をを主な餌としています。